あの花を何度でも愛そう






みんこの母親は、
僕達を覚えていた。


そのことが少し怖かった。
相変わらず冷たい瞳で僕達を見据える、あの瞳が…。




家の中に入ると、
脱ぎっぱなしの洋服
洗わず放置された食器
散らかし放題のゴミがそこにあった。



昔はもう少し綺麗だったはずなのに…
と、僕達はあいた口が塞がらなかった。



母親はそんなことは何も気にせず
ただ「あの子なら上」と階段を指差しただけで、
小学生の男の子と喋っていた。