「…うん。元気だねっ。ゆりも、入ろうかな!だって冬の海なんて、もう一生来れないから…」 …え? 僕が戸惑いの表情でゆりを見つめていることにゆりは気付き、ハッとした。 「な、なんでもないよっ。あのね、気にしない気にしないだよ!!」 そう言うゆりは、明らかになにか隠している。 「…そうか。ならいいんだ」 でも僕は、聞くことができなかった。 それは僕の弱さだった。