先頭をきって歩いている彩名も振り返って私を気にしている。

だめだ、みんなに迷惑をかけてしまう…。


「ごめん!なんでもないよ。彩名待ってよー」


……そっちのほう、行きたくないな。

カラオケ店がある方向は、隼人が歩いていった方向だ…。



いや、きっと、見間違いだ。

うん、きっと、見間違い。


あれは、隼人じゃない。

優しい隼人が嘘をつくなんて思えないし、思いたくない。


たとえ、私が隼人に嫌われちゃったとしても、まだ…隼人を信じたい。

こんな些細なことで、不安になんてなってられないよ…。