「………?」 「莉央の手あったけー。」 隼人の手は、確かに氷のように冷たい。 手袋、してくればよかったのに。 「莉央の右手はこっち。」 そう言われ、私の右手は隼人に繋がれたまま、隼人のダウンジャケットのポケットへと吸い込まれた。 「よし。アレックス、早く行こうか。」 ワンワンっと返事をするようなアレックスは、しっぽを振り、私たちの前を歩き始めた。