『ワンッワンワンッ!』 まるで僕の存在に気づけと、アレックスが吠えた。 しかもこちらをじっと見ている。 「あーわるいな、アレックス。莉央をお前から奪っちゃって。」 なんて、悪びれもなく言ってのける隼人。 「とりあえず、アレックスの散歩終わらせてからだな。指輪。」 私に目配せしながら、隼人は私の手からアレックスのリードを奪った。