「リュウヤ」

かすれてしまう声で呼ぶと、リュウヤはどんなに気持ちが肉欲に傾いていつもいったん動きを止めて、なに、と訊ねてくれる。

彼は、ただ名前を読んだだけで答えてくれる。きちんと、一度動きを止めて。私の目を見て。

それが嬉しくて嬉しくて、私はなんでもないのに何度も彼の名前を読んでは、感じていた。

ううん、なんでもない、と首を振っては、彼の反応を楽しむ。