「知りたいって言ってるのに??」
あたしはベットの端に座って、紘紀と目線を合わせる。
「っつ……………あの日の事は言うなっ。」
「紘紀は意地悪なのね。それとも、あの日の事はもう………忘れたいの??」
クッと喉の奥を鳴らして笑った。
「俺に何を隠してるんだ??」
あの人が言葉を放つ度に紘紀の身体が揺れる。
「何を怖がってるの??もう関係のないことなんだから良いじゃない。」
「俺は千里を裏切ったと変わらない。」
紘紀の泣きそうな顔があたしの瞳に映る。
「何で??あたしが良いって言ったのよ??それにもうあたしと榊原は終わってるじゃない。」
どこかその言葉を言い聞かせるように言ったのはきっとあたしの気のせい。
きっとあたしはまだあの人に囚われたままなのかもしれない。
なら、早く断ち切らないといけないのは当たり前のこと。
あたしはもう元には戻れない。
あたしはもう壊れてる。
誰の声も届かない。
何も感じない。
愛も温もりも。

