それから、あたしは涙を拭うことなく…………。
まるで『現実』から逃げるかのように闇雲に走った。
「っっ………っく………っは…………。」
息を切らしても止まることなんて出来なくて、止まってしまえばその場で泣き崩れてしまいそうになるから……………。
「っく…………終わっちゃったっ…………。」
あたしが走って辿り着いた場所…………。
「やっぱり…………未練はまだ残ってるんだっ………。」
千里と過ごした公園。
今はもう、見れることはないと分かっているのに。
なのに、どこかで千里が後ろから追いかけて来てくれるかもしれない。
そんな事を思いながら、あたしはここまで走ってきた。
でも、千里が後ろから追いかけてくることはなかった。
「寝てるから来るはずないのにねっ…………。」
そう自分自身に悪態を吐いても、流れる涙が止まることはなかった。
「明日から…………ちゃんと笑えるかなぁ…………。」
実紗になんて話そうか…………。
千里に抱いてもらったよって最初に伝えなきゃ怒られそうだなぁ………。
それよりも、ちゃんと別れたよ!!!!って伝えるべきかな??
まぁ、直接あたしが千里に言ったわけじゃない。
あたしは臆病者だから。
怖かった、千里の反応を目の当たりにすることが。

