「なんであたしは千里と出逢ってしまったんだろうねっ…………。」




千里にそっと聞いても寝ている千里から答えが返ってくるはずはない。




「千里っ……………あたしは幸せだったよっ……………。」




千里の腕をそっと解いていく。




いつまでも心地良い場所には居られない。




もう、千里とは関わらないと誓ったから。




「千里はあたしと居てっ…………幸せだったかなっ…………。」




そっと千里の寝室を出た。




それから、あたしは千里との最後の約束の『オムライス』を作った。




「ちゃんと食べてくれたら嬉しいなっ…………。」




千里のオムライスを食べている想像をして、胸が苦しくなる。




「1人暮らしって言ってたもんね…………カレーも作って置いておこうっ。」




どんどん視界がぼやけていく。




離れたくなんかないっ…………ずっと側に居られればいいのにっ………。




でも……………それは叶わない想いであって。




「千里っ…………あたしも愛してたよっ……………。」




そっと玄関を閉めて…………千里の家を後にした。





ドアを閉める時…………千里の声がした…………。





「夕希っ!!!!」





そう…………呼ばれたような気がした…………。