「千里、怖くないよ??」
「夕希??」
あたしの声が2人だけの部屋に響く。
「それにね??嫌じゃないよ??だって千里はあたしの彼氏だよ??」
そっと千里の頬を包んで微笑んだ。
「あたしを抱いたって何かが大きく変わったりしないでしょ??」
そう、元の通りになるだけ。
あたしの隣にはいつも親友の実紗と龍雅くんだけ。
千里の隣にはあたし以外のたくさんの女の子がいるだけ。
ただ……………変わってしまうのは…………。
あたしと千里の『特別な関係』だけ。
あたしは、今日が終わってしまえば千里の彼女ではなくなる。
今日が終われば千里はあたしの彼氏ではなくなる。
千里は『元カレ』となる。
ただ、それだけのこと。
だから……………最後に…………。
千里にあたしは『愛されていた』と思わせてほしい。

