「なんで暑いのに着なきゃいけねぇんだよ………。」




「オムライス作んなくても良いんだね??」




「わぁぁぁぁぁ!!!!嘘ですっ!?!?何も文句なんてありませんっ!!!!」




「それでよろしい!!!!」




ぱっと千里の顔を見ると………。



「んっ!!!!」




気が付けば千里の顔は間近にあって、吸いつくようなキスをされた。




「んっ………千里っ………ふぁ………まっ………て……。」




「無理、もう待てない。」




「んんっ!!!!」




千里はあたしをそのままゆっくりと押し倒した。




「千里っ………ちょっと!!!!」




「何??ヤらないの??」



その表情はどこか冷たくて………まるで知らない男の人が居ないように感じた。




「千里、ここじゃ………。」




「分かった。」




千里はあたしを抱き抱えると、そっと別の部屋のドアを開けた。




「ここが俺の寝室。」




そこは淡いブルーのベッドがあった。




ゆっくりとそこにあたしを降ろすと、千里はさっきまで来ていたTシャツを脱いだ。




「だから、着る意味がなかったのに。」




ニヤッと怪しげな笑みをあたしに見せる。




「意地悪っ\\\\\\」




「別に??本当のことじゃんか。」




「馬鹿っ………。」




すると、千里はあたしに覆い被さる。





「夕希、本当に良いの??」




「さっきは襲ってきた癖に。」




「それはっ………俺にだって理性があるんだよっ…………。」




「千里、良いよ??」




「泣きそうなのに??」




「えっ??」




「今日の夕希、泣きそうだよ??」




千里はあたしの頬をそっと包む。




「なに………言ってるの??」




「今日の夕希、笑ってたけど…………笑ってなかった。」




「笑ってたけど笑ってない??」




あたしはまるで無理難題を千里に問われたような気持ちになった。




「夕希、なんで無理に笑ってるの??」




その悲しそうな表情に、あたしは千里の言葉の意味が分かった。




「千里………抱いて??」




「夕希??」




「お願い、千里。あたしを抱いて??」




あたしは千里の問いに答えることなく言葉を発した。




「夕希、ちゃんと答え「千里。」」




あたしは千里の言葉を遮るかのようにキスをした。