「どうぞ~、適当に座って??」




そう言って、千里はドアを開けるとあたしを中に入れてどこかに消えた。




「うわぁ…………綺麗な部屋………。」




そこには黒で統一された綺麗なリビングだった。





男の子の部屋は想像では少し色んなものが散乱しているイメージがあった。




でも、千里の部屋はそれとは程遠いほどに綺麗で。




「片付けしてるんだ…………。」




中をキョロキョロと見ながら、千里が来るのを待った。




少しだけドキドキと緊張で高鳴っていた胸がゆっくりと落ちついて行く。




しかし……………。



「あっ…………。」





そこには、女の子が好みそうなシュシュ、ブレスレット、マグカップ。





ふと見れば、色んなものが目に映った。




「他の子がここに来たんだ…………。凄く可愛いものばっかりだなぁ…………………。」




不意に目頭が少しだけ熱くなる。




泣いちゃいけない、今日は笑顔でしょ??




零れてきそうな涙を拭って、そっと目を閉じた。




何も視界に入らないように。




今だけは千里のことを考えるようにしよう。




「早く来ないかな…………。」




すると、今まで開かなかったドアがゆっくりと開いた。





「千里~!!!!遅いよ~、何して…………た………の……。」




そこには、下はジーパンを履いていて上半身は……………。





「キャァァァァァァァ!!!!」




「うわっ!?!?いきなりなんだよ!?!?」




「なんで上も着てないのよ!?!?」




「風呂に入ってたんだから良いだろ??」




「それでも上も着ててよ!?!?」



「暑ぃだろ??」



「良いから着てよ!!!!目のやり場に困るでしょ!?!?」




それから、千里は渋々と黒いTシャツを来た。