それから、放課後になった。
千里とは駅で待ち合わせをした。
あたしは学校を出て、駅へと向かった。
途中で2人で手を繋ぎながら他愛もない話をして笑い合っているカップルを見た。
その2人は本当に幸せそうで、男の人も女の人も相手のことを愛しそうに見ていて。
口に出していなくても『好き』という感情が見えていた。
あたしも…………千里とあんな風に歩きたかったな…………。
そのカップルに自然とあたしは自分と千里の姿を重ね合わせていた。
ズキンッ
胸が押し潰されそうになった。
「もうそれは無いのにね…………。」
「何が無いの??」
「!?!?」
あたしは突然、背後から聞こえた声にビックリした。
「夕希??どうしたの??」
そこにはあたしを不思議そうに見ている千里の姿があった。

