すると……………。




「夕希??」




あたしの大好きな声が聞こえてきた。




「千里…………。」




「……………泣いてたのか??」




「なんで??」




突然、そんな真剣な顔で見られてドキリッとした。




「少しだけ目が赤い。」




そう言って、千里はそっとあたしの頬に手を添えていた。




久し振りの千里の温もりに心がドクンッと高鳴る。





ドキンッ     ドキンッ    ドキンッ





「昨日、ちょっとだけ寝るのが遅かったからだよ。」





「そうか……………気をつけろよ。」




「うん、ありがとう。」




「それより……………どうしたんだ??」




「何が??」




「夕希が初めて話したいって俺に言ってきんだろ??」




そう、あたしは今日の朝に千里にメールで『話がしたい』と言った。




初めて、メールをした。




千里の『近付かない』その約束が頭をいつも独占して離れてくれなかったから。




だから、正直に言うとそれだけで実紗の前だったけど泣きそうだった。




拒絶されなかったことの嬉しさと、話をしたら終わってしまうことの悲しさで。