せめて、あたしの笑ってる所を見てほしいから。





「実紗??」




「ん??どうしたの??」




「実紗はあたしの分まで龍雅くんと幸せになってね??」




実紗はその言葉に少しだけ目を見開くと笑って…………。




「夕希も一緒に幸せにならないとあたしは不幸になっちゃうんだよ。」




そう言って、頭を撫でられた。




いつも、実紗はあたしに欲しい言葉をくれる。




嫌味のような言葉じゃなくて、本当に些細な言葉だけど凄く嬉しい言葉。




「実紗が親友で良かった。」





あたしは実紗にそう伝えて屋上へと行った。





屋上には誰もいない。





「今日であたしの恋が終わっちゃうのか……………。」




ポツリッと誰に問いかけるわけでもなく呟いた。





すると……………。





「夕希ちゃん……………。」





「あっ…………龍雅くん…………。」




そこには実紗の彼氏の龍雅くんが居た。





「どうしたの??」




「いや、今さっきなんだけど……………その実紗に…………。」





「あぁ、聞いたんだ。」





「うん…………。」




「あたし、本当にもう止めようと思ってるの。」




「それで良いの??」




「なんで??」





「だって、夕希ちゃん…………泣いてるんだよ??」




「えっ??」




驚いて顔を触った。




手には水滴がどんどんと伝っていく。




あたし………………泣いてるの??