それから、とうとう放課後になった。
「帰ろう……………。」
あたしはそっと教科書で重くなった鞄を持つと、下駄箱に行った。
…………………またか……………。
あたしと千里が付き合い始めてから始まったこと。
それは『イタズラ』である。
靴の中に画鋲が入ってたりするわけではなく、水浸しになっていると言うだけでもなく。
ただ、入っているのは……………。
千里とあたしの知らない女の子が寝てたり、キスしていたりそんな写真が入っている。
それはまるで、あたしが千里の彼女だということを否定されているみたいで。
必死に泣きそうなのを抑えて。
溢れだしそうな気持ちを抑えて、その写真をグシャグシャにしてゴミ箱へと投げ入れる。
それから、あたしは足早に学校を出る。
学校の中は千里との噂話が絶えないから。
その1つ1つを聞くだけで、あたしの心は壊れていってしまう。

