それからだった。
あたしが千里のことで1人で泣くことが多くなったのは。
嘘だと言ってほしくても、その時に限ってあたしはその場面に遭遇する。
どれだけ自分の運がついて無いのかが分かる…………。
あれから、あたしは実紗にも千里については話さなくなった。
ただ、実紗が聞いてきた質問に答えるだけ。
あたしから千里について話すことは無いようにした。
そうでもしないと、あたしはいつかこの気持ちを実紗に話している内に泣いてしまいそうだから。
泣いてしまえば約束を破ったことになり、あたしと千里を繋ぐものが無くなってしまう。
好きだから、あたしは千里が好きだから。
だから、そんなのは嫌だ。
馬鹿なのかもしれない。
本当に都合のいい女と思われているのかもしれない。
でも、それでも……………。
千里の彼女であれば見てくれるから。
色んな表情が見えてくるから。
だから……………大丈夫。
あたしは都合のいい女でも良い。 遊ばれてたって良い。

