「やっ………んぁ…………千里っ………。」
その行為は激しさをどんどんと上げて、千里はあたしから視線を合わせたまま女の子に熱いキスを……………貪るかのようなキスを何度もしている。
あたしは本当に何か千里にしてしまったのだろうか…………。
どうして好きって言ってくれたのにこんな場面を見なくちゃいけないのだろうか。
なんであたしはこんなに泣かないように必死になっているのだろうか。
何故、千里の約束を守ろうとしているのだろうか。
普通の女の子ならここでは泣いて縋るのだろう。
でも、あたしは泣くことも縋ることも許されない。
『好き』とも言ってもらえない。
泣いてはいけない。
求めてはいけない。
近付いてはいけない。
あの頃の幸せそうに笑っていた自分に戻りたい。
何も知らずに笑っていたあの時に戻りたい。
あたしは涙を必死に抑えて、千里を見た。
千里はそんなあたしを見て…………。
あたしの大好きな、千里のことを好きになった笑顔で笑った。

