「はいっ…」

ゆっくりと近づく南雲くんの顔。

あ、これって…キス?

あたしもゆっくり目を閉じた。

その刹那、

「はい、ストーップ」

と、櫻井先生の声。

パチリ、目を開ける。

「お二人さん、ここ体育館。みーんな見てるよ?」
「「っ」」
「さ、並んだ並んだ」
「嫌だ、って言ったら?」
「はい?」
「亜美、行くぞ」
「えぇ!!??」

南雲くんはあたしの手を握り、走り出した。


着いたのは、屋上。