初めて、名前で呼んでくれた。

いつも、“おい”とか、“お前”なのに…。

それに、今…

好き…って…。

ヤバい、涙止まんない…。

「南雲く…」
あたしはゆっくり、南雲くんに近づく。

だけどバカなあたしは自分がステージ上にいるのなんて忘れていて。
ズルッと落ちそうになる。

だけど、
グイッ、とあたしの腕を引き、抱きとめてくれた南雲くん。

「助けるの、何度目だ。気をつけろ、バカ」
「うぅ…スイマセン…」

南雲くんは優しく涙を拭ってくれた。

「だ、大好きです…」
「知ってる」
「うぅ…夢みたいだ…っ…。
南雲くん、さっきの言葉、もう一度言ってくれませんか?」
「フッ。そう言うと思った…」