電話に出ると速攻で耳に飛び込んできた蘭子の泣きつく声。


いつもより若干高い気がして、軽く耳がキーンとする。



「・・・何だ、今日は何をやらかしたんだ?」



蘭子はしっかりしている時と抜けている時の差が激しい。


仕事もベテランではあるが、たまに驚くような間違いをすることがある。



『大変なの・・・っ!今度は私が若返っちゃって!チョコ作ってただけなのに・・・!』



なん・・・だって・・・?



「・・・蘭子、寝ぼけているのか?」



『な訳ないじゃない!このままじゃ、私明日仕事に行けないから電話したのに・・・!今すぐキスしてよー!!』



話をもう一度聞くと、明日俺に渡すチョコを作っていて、完成品を味見したら若返ってしまった、と・・・。


普通なら信じられん話だが、以前は俺が若返ってしまったのだ、栄養ドリンクで。