「なに驚いてんだよ?」



「そんな、驚くなって方が無理ですよ!」



急になに言われたのかと思ったわ!

え、結婚って言ったよねこの人?
あたしの聞き間違いじゃないよね?





「あ、あとこれ。こっちが本当のプレゼントな。」



ぽいっと渡されたそれを見る。


ドラマとかで見たことがある、さわり心地よさげなネイビーの布地とフォルム。



「こ、これは…!!」



「ん?指輪だけど?」





なんてことない雰囲気で言われる。


………なんてことあるだろうが!!




「店長!なんですかその驚きの軽さは!!高級羽毛布団もびっくりな軽さですよ!」


「ここで羽毛布団を出してくるとは、お前も大概アホだよな。」



「秀逸な例えでしょうが!
ってそんなことはどうでもよくて!

え、結婚?するんですか?」



「なに、してくれねえの?」



「いや、しますけど!」



「ならなんも問題ねぇだろ。」



「でも、なんか、こう…雰囲気はどこに行ってしまったんですかね?どこに行けば雰囲気って買えますか?」




「…わかったよ。一回しか言わねぇから、ちゃんと聞いてろよ?」