そのあと、再び意識が浮上したのは誰かに頭をなでられたのが原因だ。


あたしはこの大きな手を知ってるな。

これは店長の手だ。




「起きたのか」


「…起きました」



ゆっくり顔を上げると、思ったより優しい顔した店長がいてびっくりした。


もっと怒ってるかと思った。

仕事の邪魔しやがってって。




「店長、ごめんなさい。飲みすぎました」


「完全に飲み過ぎだな。馬鹿が」


「ごめんなさいい…!」



「だいたい、なんで休みなのにうちに来るわけ?飲みに行くにしてもわざわざバイト先いかねぇだろ普通」


「だって今日は!……あ!今なん時ですか?!」



「は?なんだよ突然うるせえな。0時半過ぎだけど?」


「うわぁ!もうそんな時間!今日がおわちゃった!」




「何バカみたいなこといってんの?馬鹿なの?」



「それ言われるの二回目なんですけど…はぁ…店長!!」




もう23日は終わっちゃったけど、まだぎりぎりセーフってことにしてくれないかな。





「いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします!」


「は?なにいきなり?なんか企んでんのか?」



「違いますよー今日ってか昨日、勤労感謝の日だったじゃないですか。だから、店長に感謝の気持ちを伝えるために今日は飲みに来たんですよ」




「……その割に迷惑かけられてるんですけど。」



「その点は、本当に謝罪しますんで、許してください」