「伊吹って?」
千尋君が聞いた
「あたしの無駄にモテる幼馴染み!
伊吹もサッカーやってるんだよ」
もしかしたら、知ってるかなぁ?
伊吹も一応一年だけどレギュラーだし
「青葉の伊吹って…
もしかして7番の咲本?」
「知ってるの?」
「あるよ
一回対戦したことあるし、
俺の学校にも咲本のファンいるからね」
そーなんだ…
アイツ無駄にカッコイイからね
ファンクラブあるとかすごすぎでしょ。
「ふーん…
すごいね」
「好き?」
千尋君があたしの目をまっすぐ見て言った
「え、好きじゃないよ!
あんなバカ男のことなんか!」
すると、千尋君がお腹を抱えて笑いだした
「違うよ
サッカーのこと。
好きなら、見においでって言おうと思ったの」
なんだそのことか…
「正直だなぁ、もう
萌香ちゃんって嘘とかつけないタイプでしょ」
千尋君は切なげに顔を歪めた後、店員さんが持ってきたスパイクを持ってレジに行った

