「なんで嘘ついたの?」
全く、表情をくずさない
「あたしチビだから」
そう言うと、千尋君は少し驚いた顔をした
だけど、すぐに表情を戻した
「女の子は、小さい方がかわいいよ」
「でも…
背の高い人と並んだら、差が目立つじゃん」
「背の高い、好きな人でもいるの?」
――ドキッ
いない、はずなのに
なんだかドキッとした
あたし、今好きな人なんていないはずなのに…
意味わかんないし
「いないよ」
「へー」
千尋君は、まだニコニコ微笑んでる
「萌香ちゃん、かわいいね
口説いて良い?」
えっ
口説いて良い?って言った?
そーゆーこと、さらって言えちゃうんですね
やっぱり、あたしこの人苦手だ

