女は、俺の部屋で寝かせた。

『…もぅやだょ…』

は?

俺は女の顔を覗きこんだ。

ドキッ

女は涙を流しながら

眠っていた。

この女は何かを抱えて

生きている。

その何かは

そこらへんにある

軽いもんじゃねぇ…。

ずっしりとした

重い石みてぇのを

抱えて生きているんだ…。

だから、あんな瞳をしていたのか…。

俺はその晩

女の事が頭から

離れなかった。