ーーーコツ、


情けない足音が夜道に響く。



頬を切り裂くような冷たさを持つ風が無情にも涙に塗れた頬にあたる。



あたし、中野麻由子。
たった今ずっと恋い焦がれてきた人にフラれてきました!


はんっ!
なにが、考えてみたけど中野とつきあうのは無理。じゃっ!!



悲しみが過ぎ去って残るのは空虚な怒り。
イルミネーションがキラキラと照らすことも鬱陶しく思えて悪態をつく。



わかっていた、けど。
彼があたしをどうとも捉えてないことも。
だけど、一抹の希望をもってぶつかったのだけれど、もののみごとに当たって砕けろ方式だったよっ!!



「どーせ、あたしはヒロインにはなれないんだよっ!」


ーーー憧れは、あった。


確かに、玉の輿とか俳優さんの恋人とかそんなのにも憧れてたけど。
普通の小さな育むような幸せが欲しかったのに。

それすらも、手に出来ないなんて。


「一生、独身でいるかなーっ」


昨日まで頭の大部分を占めていた彼のことを端っこの端っこに追いやって新たな人生設計をたてる。


一生独り身でも生きていける蓄えを貯めなければ。


うん、別に子孫繁栄が宿命ではないのだ。
今時少子化だしー、この流れに乗っていこうかなー、あー、でも年金もらえないのは辛いなー。


なんて、花の女子高生と呼ばれる年真っ盛りのオンナノコが考えるようなことではないのはわかってる。
例えば、適齢期を過ぎた人とかー婚期を逃した人とかー。


まぁ、それはさておき。
明日からは冬休みだ。
論文の為に休んでいたバイトもバリバリ働かなければ。



失恋したって、世界は回るのだ。