「おい風見!風見起きんか――「風見彩葉は起きています。」
あたしは数学教師にザマーミロと内心思いながらそう言った。
なぜか今日は起きていた。いや、天気が曇ってるからあたしが起きているのだ。
この前雨が降っていたのに爆睡していたのは録画していた番組を夜中まで見ていたからだ。
そして、数学教師はあたしがいつも寝ていると思ってるようで黒板向きながらあたしの名前を呼んでくる。
「おー、すまんすまん」
こうやって軽くしか言わないこの数学教師のジジイはかなりムカつく。
そして、あたしはクラスのアホキャラ的ポジションを獲得していた。
「おー、じゃあこれ解け」
確かに中学からアホキャラだったけど、高校でもそうなるとは思ってなかった。
高校デビューしようとか思ってたのに数日しか――バシッ!
頭を教科書で叩かれた気がする。
「トリップしてたら寝ても寝なくても同じじゃあ!」