苦い苦いこのコーヒーを飲むたびに君のことを思い出す。

僕は今、君の言う“大人”になれたのかな?










僕はみんなの嫌われものだった。

学校に行くたびに悪口をいわれ、全員に無視され、暴力をふられていた。

学校の教師はそれを知っていながら知らないふりをしていた。

なぜなら僕を嫌い、いじめ始めた主犯はこの学校の理事長の娘だったから。

いじめのきっかけだって簡単。

彼女が彼氏にふられて気が立っている時に、運悪く僕は彼女にぶつかってしまったのだ。

すぐに謝りはしたが、彼女の機嫌が悪かったのが運のつき。

その次の日からは机や靴、バックを捨てられることは日常茶飯事になっていた。

学校に来るたびに大勢の人に死ねといわれる毎日。

僕の親友や友達まで手の平をかえして、僕を嘲笑うようになっていた。


僕は…



もう…




限界だった…





気付いた時には屋上のフェンスを乗り越えていた。

誰一人僕を止めになんてこない。

下を見ると遠く離れた地面が『おいで』と優しく呼んでくれているような気がした。

僕は足を踏みだす。

恐怖なんてこれっぽっちもなかったんだ。