灰色フラワー





「あ、イケメンといえばさ、隣のクラスに帰国子女来たっしょ?」




姫の言葉に首を傾げる。

そうだっけ? 


イケメン…イケメン……


頭に思い浮かぶのは、バスケ部のエースの遠藤先輩に、クラスの沢村君、後輩にも居たような…。


まあ、考えても分からないだろうと諦めた。


そんなわたしの顔を見て、姫がおおげさにため息をついた。




「杏実、マジその手の話に疎いよな」


「姫が敏感過ぎるんだよ」


「いーや、琳君のことは皆知ってるし」


「りん…って誰?」




本当に分からなくて聞いたのに、また大きいため息をついて頭を抱える姫。


え、なにその反応。