「葵さんとは付き合ってるんじゃないんですか?」


「……」


「何で恋人にこんな花、渡すんですか?」


「……」


「葵さん…どうかされたんですか?」


「……」




青山さんに詰め寄っても、彼はぎゅうっと花束を腕に閉じ込めたまま。


俯いて何も答えない。


だけど、その瞳は愛しいものを見つめるものでは到底なくて。




「…あずちゃん」




今にも、泣いてしまいそうで。




「なん、ですか?」




ゴクリと大きく喉が鳴った。