ピンクの花を、棘に気をつけながら、ラッピングしていく。
その時にふと思う。
「この花、…『葵』さんにあげるんですか?」
「え? ……うん」
頷いた青山さんの黒の瞳はどこかをさ迷っていて。
居場所を探すかのように。
どこか、寂しげで。
「…そうですか」
何も言えなくなった。
「……」
無言で包んでいく中、頭の中ではぐるぐるぐるぐる余計なことばかり考えてる。
葵さんとは付き合ってるんじゃないの?
何でそんなに悲しそうな顔するの?
…わたしならそんな顔、させないのに。
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