「毎週木曜日、来てくださってますよね?」


「…うん」




男の人に話し掛けながら、かわいいピンクの花を包んでいく。


男の人は少しだけためらうように返事をした気がしたけど、気のせいかな。


出来たのは、控えめな花束。




「あ、ラッピングはピンクのリボンで」


「かしこまりました」




凛とした声に、鼓膜が震える。


…モテるんだろうな。


どこの誰かも知らないけど。






「はい、完成です」




細いリボンをキュッと結べば出来上がり。


そっと彼に手渡したら、またニッコリ笑い返してくれた。