「行っておいでよ、杏実ちゃん」
その時奥の部屋からオーナーがにょきっと顔を出した。
オーナーは奥さんに先立たれて今は一人ぼっちだけど、すごく楽しそうに花の世話をしている。
亡くなった奥さんとの花屋だからかな。
あったかくて優しいんだ。
「いいんですか?」
『フラワーガーデン』の店員はオーナーとバイトのわたしだけ。
それにわたしも入るのは平日だけだ。
一人じゃ大変なんじゃ…。
「いいよいいよ、行っといで」
「…ありがとうございます!!!」
優しく微笑むオーナーに大きく頭を下げてから、青山さんの方を向いてニカッとピースをした。


