こうして未来は繋がっていく―黒猫シロと僕―[完]



直球勝負。

俺に駆け引きは無理だ。香澄もそれをわかっていると思う。

香澄を見ると目を見開いて、目には涙が溜まっている。

手の上にあるシロの瞳と同じ色の指輪を見せれば、とうとう涙が零れ落ちた。

こくこくと首を縦にふる香澄の肩を優しくつかんで目を合わせる。

「いいのか?」

「……、もちろん。私の事、シロと同じくらい大事にしてくれるんでしょう?」

そう問われて、「ああ」と返事を。

指輪を香澄の指にはめる直前、俺の仕事についてを話さなくてはと思い、ゆっくり話しだす。