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全てを読み終わり、気づくと頬に涙が一筋流れていた。

「シロ…。楽しくやってるか…」

そう呟くと何だか足元にふわっと空気が流れたような気がする。

突然感じた風に少し目を見開き、ふっと口角を上げる。

香澄がきたら、教えてやらなきゃな…。

あの頃に戻り、思い出に浸って。

大好きだったシロに会えた。

少し悲しい結末かもしれないけれど。

「香澄、さんきゅ…」

頬に流れた涙を拭い、ぎゅっと目を閉じて。

「さ、気合を入れますか」

香澄を迎える準備を始めよう―――…