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そこまで読んで、ふぅと息を吐く。


今思えば、あの頃はまだ恋愛感情なんてなくて、ただただ香澄を助けてやらなくちゃ、そんな素直な気持ちだけで行動していた――。


―――大人になるって、中々大変だよな…。


今まであった香澄との喧嘩や出来事を思い出して、ちょっと苦笑する。

時間を見ようと携帯を開くと、香澄からメールがきていた。



FROM:椎名 香澄

TITEL:了解

終わったらそのまま行くね!

      KASUMI




メールを読んでから、時間を確認すると読み始めてから一時間が経っていた。

うつ伏せだった身体を起こし、ソファーに座りなおす。

もちろん、それからの出来事も俺は覚えているのだけれど、香澄がどういう風に書いていくのかとっても楽しみだ。

―――これじゃ、寝る時間はないかもな……
  
ふっと息を吐いて次のページを捲った――。