曇りのち友情、時々恋




「・・・あ、あた゛しっっ!!!」

「・・・うん。」

「あ゛あ゛・・・っ!! 実は・・・」

涙で言葉がうまく出てこない。

「・・・・ゆっくりでいいよ。」

大粒の涙が溢れる大きな目を一気に上杉の方に向け・・・

「・・・転校するの!!!」


《《シ゛ャンッッ!!!!

ピアノが酷く醜い音を出す。


鳴海が思いっきりピアノの鍵盤をたたいたのだ。


「・・・・!!」

「合唱コンの前に転校するのよっ!!!!!」


普段の優しくどこか抜けた鳴海の声はどこにもない。

ただ単に怒りに任せて声をあげていた。

上杉は言葉を失った。


「・・・なんでっ!!! なんでこんな時期にっ!!!!」

「・・・・。」

「もう、卒業もすぐじゃんっっ!!! せめて卒業してからでいいじゃんっっ!!!!」

「・・・・。」

「もうちょっと待ってくれたっていいじゃない・・・・。 も゛う゛っ!!! なんで今なのよぉぉぉっっっ!!!!!」


ひどく混乱した様子から本人もまだ状況を受け止めきれていないのだろう。


《《ジャンッ!!! ジャンッッ!!!!

さらに激しく鍵盤をたたくその手にはまだ新しい痛々しい傷が何個もあった。


((ガッッ!!

「・・・やめろよ!!!」

「・・・!!!」

音楽室に再び静けさが戻った。