SILVERBUTTERFLY

言われた通り座ると、ドアをノックする音が聞こえた。
「理事長~?」
そう声が聞こえ"ガチャ"と言う音と共に人が入って来た。
「相変わらずですね、荒城先生」
そう龍兄が笑顔(でも、凄いどす黒いオーラ)で言うと、
「失礼します」
と言いなおした。
……ん?こいつどっかで、
「真守か?」
そう聞くと、
「そうだけど…もしかして麗…さん?」
私がコクっと頷くと、
「うわ…10年ぶりですね、お久しぶりです」
なんか歓喜の瞬間みたいな顔して言われた…そうでもないのに。


あ、こいつは荒城真守(Araki.Mamoru)
歳は龍兄と同じ32、元黒蝶の幹部で私とは顔見知り。
よく一緒に勉強した気がする…。
まぁ、喧嘩の腕っ節は評判で、引退前は龍兄の次に強かった…今でもそうみたいだけど。
「何で真守が?」
「俺、ここで理科教えてるんです…クラスも持ってるんすよ」
私の問いかけにそう答えた。
「ふーん…じゃ、私は真守のクラスって訳だ?」
龍兄の方に顔を向けながらそう聞くと、
「ああ、物分かりが早いな…流石麗!!」
と、飛びついて来たので、すかさず避ける。
「そろそろ授業始まるだろ?真守よろしく、じゃ、龍兄」
龍兄に片手を挙げてそう言うと、私は真守と理事長室を後にした。