SILVERBUTTERFLY

「じゃあ、俺入りますんで合図したら入って下さいね」

「分かった」

私がそう返事すると、"ガラガラ"と横引きのドアを開けて中に入って行った。

うるさかった教室が途端に静かになる。(実際、会話が聞こえるか聞こえないかの音量でうるさかった)

「ほら、お前ら席着け!席に!」

そう言う真守の声と共に"ガタガタ"と物を動かす音がして、その音が鳴りやむと声が聞こえた。


「何か今日荒セン遅くね?」

「ついに彼女を作ったとか!!」

「余計な世話だ!!しばくぞ…」

そう真守の声が聞こえてまた一気に教室は静まる。

「今日は、転校生が居るんだよ」

「うげぇ、また男かよ?」

「しょうがねぇだろ、こんな所物好きしか来ねぇって」

「だよなぁ」

「あ~、何でもいいが、とりあえず静かにしろよ」

「何でだよ?」

「いいから黙れ、ガチでしばくからな…」

その一睨みでその場は凍りつくように寒くなった。

この学校で荒城真守に勝てる物は、この学校では麗と理事長の龍也しかいないらしい。