Love Again【番外編集】

タクシーを捕まえて産婦人科へ向かう。



分娩室の前には拓海さんの姿。





「拓海さん!舞さんの赤ちゃんは!?」





『まだ分娩室に入ったばかりだよ。』





「どうしよう…破水って…」





『大丈夫。姉貴はお袋達や、義兄さんにも自分で連絡いれて、一人でタクシーに乗って来たって。お袋は自分達が着くまで俺に側にいるよう言ったけど、さっき会ったら、“何で拓海がいるの?”なんて普通に言ってたし。』





すごい…初めての出産なのにね。
一人で心細いだろうにね。それなのに…





『座って…これからまだ時間かかるだろうし。』






分娩室の前にあるベンチに二人で座る。




それでもじっとしていられない私の手を拓海さんが握った。





拓海さんの手はいつもよりも冷たくて少し湿っていた。





拓海さんも緊張してるんだ。私がこんなに動揺してるから、だから平静を装って?





握られた手を強く握り返して、元気な産声が聞こえて来るのをただ待った。