Love Again【番外編集】

泣いている私を道行く人はチラチラと見てくる。



『奈緒、ここじゃ人目につくから、とりあえずこっちに…』



私の肩を抱いたままの誠は、その場を離れようと歩き出す。




されるがままフラフラと歩き出す私の手を突然誰かが握りしめた。




『奈緒っ!?』




聞き覚えのある声。
振り返った私の顔を見て、ぎょっとした顔をする。
それもほんの一瞬で、すぐに隣にいる誠を睨みつける顔は、少しだけ幸一さんと似てて、ちゃんと血の繋がった兄妹なんだと実感した。



「亜希…」




『あなた…奈緒に何したんですか?』



私の手を思い切り引っ張って自分の体の後ろへと隠す亜希。



細い亜希の体越しに困惑した顔の誠が見える。



『行こう奈緒。』




誠を気にしつつ私を連れて歩き出す亜希に、誠が一歩近寄る。



『来ないでっ!!大声出すわよ!!』



今も充分大きな声で言う亜希に、誠はどうしていいかわからない様子。




それを見て、亜希は私の手を引っ張って走り出した。