Love Again【番外編集】

幸一さんは誠の話をただ黙って聞いていた。
怒る事も、泣くこともせず…ただ黙って…




何も言わない幸一さん。ただじっと誠を見続ける。
沈黙に耐え切れなくなった私が口を開いた。




「幸一さんっ私…」



私が話そうとしたのとほぼ同時、幸一さんが私を見る。


そしてふっと悲しそうに笑って一言…



『決めるのは…奈緒さんです。』




ゆっくりと私に背中を向けて歩き出す幸一さん。



…どうして、こんな時まで…



…私が決める事?
幸一さんはそれでいいの?


こんな時なのに、どうして…どうして強引に、私を連れて帰ろうとしないの?




幸一さんの行動がショックで…




私がもし誠を選んでも平気なんだって思うと悲しくて





溢れる涙を止めることが出来なかった。