『美里!パンフ持って来た!』


「うわ…こんなに沢山?選ぶの大変そう。」


『色々な旅行会社で手当たり次第貰って来たからな。』


「ありがとね!何処にしようか?」


パンフレットを手にしながら充に問いかけた。


充と再度結ばれてから数日経った今日。
泉美達カップルには負けてられないと充は、私達もどこか近場へ旅行に行こうと提案して来た。


充の短期のバイトが終わり次第行く予定。


『美里、俺すげー頑張ってパンフ集めしたんだ。』


「うん。この量見ればわかるよ。ありがとね!」


『本当にそう思ってるんならさ、ご褒美ちょうだい!』


そうして自分の口を指差す充。
あれから少しだけ、充が変わった。


言葉でして欲しい事を伝えてくれるようになった。


「ここじゃ無理!人目があるもん。」


『なんだよ、いいじゃん!』


「…二人きりになるまで、待って?」


『じゃあ、パンフ持って家に帰ろうぜ!』



「うんっ!!」



繋いだ手も、充との甘い会話もまだまだ照れ臭いけどゆっくり慣れていきたい。

だから、ずっと側にいてね








Fin