Love Again【番外編集】

講義を終えて立ち上がり出て行く人の群れ。



『私、これからもデートだから。じゃあね。あ、美里、誘うのが無理ならまずは甘えてみるとかは?』



言いたい事だけ言って泉美もさっさといなくなり、私は後ろにいる充に声をかける。



「充。起きてよ。講義終わったよ。」



少し揺さぶるとゆっくりと顔を上げる充。




「おでこ、すごい跡付いてる。」



おでこに触れようと手をそっと前に出した瞬間だった。



バシッ




思い切り手を叩かれるように弾かれた。




驚いた顔の私に焦る顔の充。




『わ、悪い。寝ぼけてつい…』




「…いいけど。私、今日はもう講義もないし、帰るから。」





我ながら可愛くないと思う。



ちょっと手を弾かれた位であからさまに不機嫌なこの態度。




泉美、こんな私はどうすれば充に甘えられる?




そもそも甘えるってどうやるの?



後ろで私の名前を呼ぶ充の声が聞こえて来たけれど、振り返らずに講堂を出た。