聞くタイミングを失って、ただ誠が食べ終わるのを見ていた。
『そんな見られてたら食べずらいんだけど…。』
「ごめっ…」
そうだよ。何見つめちゃってるの?
それに、誠が先輩と別れようが、今の私には関係ない事でしょう?
自分にそう言い聞かせて、膝の上に置いてあった左手の薬指に嵌めてある指輪を見つめてた。
私には幸一さんがいるのよ。だから…誠が今何をしてようが関係ない。関係ないんだから――
『奈緒?デザートきたけど食べないの?』
「え?あ、食べる!」
目の前に置いてあるスプーンに手を延ばした。
「!?」
その手に自分の手を重ねて来た誠に、固まる体。その重なる手から目が離せなくなる。
ドキン、ドキンと大きな音を立て始める心臓。
『奈緒、俺達さ…やり直せない、かな?』
視線だけ手から誠へと向けると、真剣な顔で私を見てきてた。
「ま、誠…」
『そんな見られてたら食べずらいんだけど…。』
「ごめっ…」
そうだよ。何見つめちゃってるの?
それに、誠が先輩と別れようが、今の私には関係ない事でしょう?
自分にそう言い聞かせて、膝の上に置いてあった左手の薬指に嵌めてある指輪を見つめてた。
私には幸一さんがいるのよ。だから…誠が今何をしてようが関係ない。関係ないんだから――
『奈緒?デザートきたけど食べないの?』
「え?あ、食べる!」
目の前に置いてあるスプーンに手を延ばした。
「!?」
その手に自分の手を重ねて来た誠に、固まる体。その重なる手から目が離せなくなる。
ドキン、ドキンと大きな音を立て始める心臓。
『奈緒、俺達さ…やり直せない、かな?』
視線だけ手から誠へと向けると、真剣な顔で私を見てきてた。
「ま、誠…」

