「じゃ、今日はありがとう」
「楽しかったです。
ありがとうございました」
私たちはお店から出て男性人と別れた。
店からでると、もう夕方になっていた。
二次会をしようという話も出ていたけど、私たちは高校生だからという理由で帰ることになったのだ。
「じゃね、里津」
「あぁ、今日はありがとう」
里津の友達とも別れて、二人帰り道を帰る。
沈黙していた中、最初に話し出したのは里津だった。
「何か…イマイチだったな」
「ん、そだね…」
私もあんまり話せなかったし。
「ごめん、結愛。
つまんなかっただろ?」
「いや、そんなことは…」
一瞬何故か伊波さんの顔が思い浮かんだ。
「……」
「結愛?」
「あ、ごめん。
でもつまんなくはなかったよ。
暇だったけど…」
「そっか。
…結局結愛に彼氏できないまま終わっちゃったな」
「うん…。
でもいいよ。
私はちゃんと好きになった人と付き合いたいから…」
「…そうだな。
あたしもあんたには成り行きで付き合うとかじゃなくて、ちゃんとお互いを想って付き合う方が1番合ってると思う」
「うん。
今日はありがとね、里津」
「いや。
あたしは余計なことしたよ。
結愛、あんたはゆっくりでもいいから、本当に好きだって思える相手を探しな」
「うん!」
私はニッコリとして答えた。
そうだよ。
別に焦る必要はない。
私は私なりにゆっくり見つけて行こう…。