11時10分。
待ち合わせの公園で待っていると、手を振ってこっちに近づいてくる人影があった。
「里津!」
「ごめん、遅れた!」
「それはいいけど…何かあった?
里津が遅刻なんて珍しいね」
「あぁ〜、ちょっと来る途中優作に会ってさ」
「え!?」
「そんな格好してどこ行くんだって聞かれた時、正直焦ったよー」
ハハハと軽く笑う里津。
「な、何て答えたの?」
「そりゃぁ、結愛と買い物に行くからって答えた。
ホントのこと言ったらさすがにヤバいだろ」
「そうだよね…」
里津も私と同じ理由で誤魔化したんだ…。
私、里津の彼氏さんに申し訳ないことしたな…。
「それより結愛、可愛いね」
「え?
そうかな?」
「うん、いものあんたより可愛い!」
…それはいつもの私が可愛くないってことなのかな…?
まぁ、自分が可愛くないなんてこと、分かってるけど。
里津は悪気もない、笑顔を私に向けていた。
「里津は…ずいぶん大人っぽいね」
「まぁね」
特にその結構胸元が開いてる服。
それを着こなせてる里津がすごい。
ホントに高校生ですか?
って感じ…。
「さて、そろそろ集合の時間になるし、行こうぜ」
「うん」
私たちは並んで歩き出した。