…勢い任せみたいなので言っちゃったけど…。
伊波さん引いてないかな…。
顔を上げて、チラッと見てみると、ビックリした顔をしていた。
そりゃそうですよね!
いきなり好きとか言われても困りますよね!
「ごめんなさい!」
今度は頭を下げて謝った。
すると、小さくクククと笑う声がする。
……?
顔を上げると、伊波さんはさっきとは違い、笑っていた。
「ハハハ…面白すぎ…。
何であんたが謝んの?」
「えっ、えと…」
「ま、いいや」
片手で顎を持ち上げられたかと思うと、驚いてるヒマもない内に、チュッと唇を奪われてしまった。
「俺のクリスマスプレゼント」
「ど、どういう…」
「キス。
だって、俺の彼女になってくれるんだろ?」
そ、それって…つまり…。
「OKってことですか…?」
「うん」
またしても唇にキスされる。
「い、伊波さん!?」
「ん?」
「あの…私のこと…好きですか?」
付き合うなら、ちゃんと確認しておきたい…。
「…バーカ」
ギュッと抱きしめられる。
「好きじゃなかったらOKなんてしねぇし、キスだってしない。
てか、俺ほぼ結愛に一目惚れ…だったし…」
「え!?」
それはビックリ。
マジですか!?
「…結愛は?」
「私は…徐々にですかね…」
「そっか。
ま、どっちにしろ嬉しいけど」
「私もです。
伊波さんとこうして一緒にいられることが、すごく嬉しいです」
気持ちが、ちゃんと伝わった…。
「…結愛…好きだ」
伊波さんは、甘くて、優しいキスをしてくれた。
私たちは、クリスマスのキセキで巡り会えたから、今こうして幸せを感じられているのかもしれない。
私の人生で最悪なクリスマスは、人生で最高のクリスマスの始まりでした。
END