―次の日―
「結愛ー、昼飯食おうぜ」
「うん。
…ねぇ里津、その言葉止めた方がいいんじゃない…?」
「は?
その言葉って…?」
「その言葉って言ったら、その言葉」
もう。
里津は美人でスタイルもよくて結構モテるのに、言葉使いが少し悪い。
それで損をしていることもシバシバある。
本人は気づいてないみたいだけど…。
例えば、周りから不良と思われたりとか…。
……それぐらいしか思い浮かばない。
でもまぁ、周りが何と言おうと、里津は私の大切な友達だということに変わりはない。
「直さないの?
言葉使い」
「いいんだよ、別に。
これがあたし。
こんなあたしを好きって言ってくれる奴がいるんだ。
それに、今さら言葉使いなんて直したら反対にキモイって言われるさ」
「そういうもんなの…?」
「そういうもんなんだよ。
それより、あたしのことばっか気にしなくていいから、自分のこと心配しな」
「え?」
「どうせ今年1人なんだろ。
クリスマス」
なっ!?
里津は私の考えていた事が読めるの!?
…しかし、ここで1人。というのは実に何か認めたみたいで悔しい…。
いや、実際そうなんだけども…。
「ひ、1人じゃないよ…?」
精一杯何とか普通を装ってみたけど…。
バレたかな?
「結愛、あんた…。
目、泳いでる」
えっ、マジで!?
マジですか!?
うわ〜!!
「ごめん、あたし無神経だったね。
そっか、1人なんだ…」
「里津…。
お願いだから笑いこらえるのやめて」
「ご、ごめ…ぷふっ」
もういっそ大笑いしてののしってくれても構わないから!
「里津〜」
「あぁ、悪かった悪かった。
泣くなよな〜」
「だって私クリスマス1人…。
里津は彼氏と過ごすんでしょ?」
「そっ!」
そんなにこやかにハッキリ言わなくても…。
上から石が落ちてきたみたいに、ズーンと体が重くなる。
「ま、結愛も早くいい男見つけなよ!
さ、飯食おう、飯!」
里津、彼氏とクリスマス過ごすから、すごく嬉しそう…。
あぁ、私は里津の幸せオーラで溶けてしまいそうだよ…。
寒いけど…。